A Traveler to The Universe 03
Size: W500mm x H1300mm x D500mm
松嶺貴幸のアイコニックな作品の1つである”A Traveller to The Universe”の第三号作。本作品は、映画の名作である“未知との遭遇”からコンセプトを引用したものです。松嶺貴幸はこの作品を制作するにあたって、次の仮説を持ち出しました。
“もし、地球代表者が宇宙のどこかでエイリアンに遭遇したとしたら、その代表者は「地球人とは?」というテーマにおいて、私たち地球人についてどう説明するのだろうか?”
松嶺は、そのよううに仮説を立てた上で、宇宙人からの視点で自分自身と地球人をメタファーしはじめました。自分自身と地球人がもつ誇らしきもの、面白み、または残念ではあるが愛らしい事柄やものを想像してみました。そして、松嶺が実際に表現、制作を行うフェーズになると、松嶺は本作品の表現方法にアッセンブラージュを取り入れることにしました。松嶺が選択した地球代表物は、松嶺の身近な生活圏内から収集されるものもあれば、インターネット検索を用いて、海外から取り寄せられるものなど、アッセンブラージュに用いる選択の範囲は非常に広いものでした。その選択の広さが現代的であり、非常にユニークな事でした。
本シリーズ作品における松嶺の表現は、仮説を立て、メタファーを実施しながら組み立てるというコンセプチュアルな要因から始まり、かつアッセンブラージュを技法に取り入れて実施された、レイヤーの深い表現です。
「A Traveller to The Universe」の第三作では「地球人とは?」という本シリーズのコンセプトからさらに深く入り込み「日本人とは?」という、より範囲の絞られたアイデンティティを探求することを目的としました。」というテーマの中で、次の6つの要素が松嶺によって選抜され、表現されました。
1. スクリーン
2. 筆
3. 武士道
4. はんこ
5. ポッキー
6. 安室奈美恵(iPhone内)
そして、その6つの要素が選択された意図は以下の通りです。
1.はスクリーンに洗脳される日本人を表しています。本質的な事を探し、感じる力はスクリーンからのプロバガンダによって失われていきます。
2.中国から伝わった漢字を独自のものに変革させました。筆を執り、ひらがなを書く風景に日本を感じます。
3.宗教なき人道はどこからきているのか?世界から見ると民度が高いと思われる日本人のモラルの根源は武士道か。
4.ハンコ文化もまた、日本が持つユニークな文化です。
5.日常にあふれるお菓子のクオリティと、それを包むパッケージinパッケージのクオリティは驚愕です。
6.安室奈美恵という文化をつくるミュージシャンがいました。
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